dirac246の日記

物理・数学や資産運用、映画など

田崎さんの量子情報、ベル不等式の破れの講義ビデオ

学習院大学田崎晴明教授の「量子力学の講義の最後のあたり」という講義ビデオが公開されていたので、視聴させていただいた。

簡単なスピン1/2の量子力学(2スピンのsingle状態、x方向・z方向の固有状態など)を使って、

  • エンタングルメントを利用した超光速通信の否定
  • 量子状態のクローン禁止定理
  • 量子鍵配送
  • 量子計算のドイッチェアルゴリズム
  • 隠れた変数の理論(局所性と実在性)
  • ベル(CHSH)の不等式の破れ

をとても簡潔に非常にわかりやすく解説してくれている。

続編として「量子力学における測定」があるらしく、いまから楽しみにしている。

(追記) 本日(2020年12月13日)に第3回「量子力学における測定」が公開されました。

早速視聴させていただきました。

測定装置とスピンの系がSchrodinger方程式で時間発展して、エンタングルするところまではスッキリしているのですが、そのあと測定装置の状態を「安定したマクロな状態」という大自由度系(時間反転が困難な系)としなければならない、というあたりから、どうも歯切れが悪く、この問題はまだ最先端の現役物理学者でもスマートに説明するのは難しいのかも、という印象を受けた。